作品1《 夢 》 2枚組陶板 25cm×35cm
【技法】 二枚の陶板を衝立風に立たせる事で
開かれた本の立体感や遠近感を
表現しています。
主役は 眠っている少女ではありません。
少女が見ている 夢 です。
これから体験する たくさんの 喜びや悲しみ を知らず
暖炉のそばで 寝息をたてています。
誰もが夢見る 希望や憧れ・・・
もし心の中に眠っている 夢 があるのなら
そっとその 夢 に灯りを灯してみてください。
叶った 夢、叶わぬ 夢 夢を抱くきらきらした気持ち・・・
夢 の中に大切にしていたものはなんでしょう。
そう、本当に大切なものは
目には見えないところにあるようです。
ひとりひとりの心の中に眠っている 夢
そんな 夢の旅 へ出かけましょう。
作品6 《 el viento de lavendula 風 》 陶板 63cmx31.5cm
繰り返される 出会いと別れ
その狭間を
新たに生まれた風が 吹き抜けてゆきます
私はどんな風をも受け
その自由な風に 吹かれるでしょう
風が私を包み優しく囁く 本当の意味を
風が私の頬を冷たく叩く その理由を
風が運んでくるたくさんの想いと一緒に
ただ 風 に吹かれ
あるがままの 私 でいたいのです
* 展示の際は、立体感を出す為、両サイドの陶板に角度をつけております。
☆「JPAC国際エキシビション2016」(Japan Porcelain Artists' Club)
テーマ “風” コンペティションにて 銀賞 を頂きました。
シリーズ ♪{ 組曲 }
ある楽曲のイメージとリンクさせて制作していくシリーズをスタート致しました。
組曲の始まりは、Allmande(アルマンド)から。
この後
Courante(クーラント)
,Saravande(サラバンド)
Menuet(メヌエット)
Gigue(ジーク)・・・と
(古典)組曲の形式で展開してゆく予定です。
楽曲は Youtube と リンク させております。
私の個人的なイメージですが、音楽と共ににご鑑賞下さったら嬉しいです♪
(陶板2枚組 45cmx35cm)
組曲 Allmande (アルマンド)
楽曲: ガブリエル フォーレGabriel Fore (1845-1924 France)
「パヴァーヌ Pavane」に寄せて
母なる宇宙という胎内に抱かれて
銀河が瞬く コバルトの夜空に
やがて日の光を携えて 夜明けの時が訪れます
地平線の彼方から雲を携え
風が そよいできます
穏やかに 生まれたばかりのさざ波に乗って
制作エピソードをブログに載せております。
こちらも覗いて下さいませ♡
Atelier la Primavera創造の扉 河合りえ子のブログ
☆「 JPAC国際エキシビション2016 」 (Japan Porcelain Artists' Club)
テーマ “風” コンペティションにて 銅賞 を頂きました。
(陶板30cmx30cm)
組曲 Courante (クーラント)
Leonardo da Vinci が死去した後の16世紀前半の作曲家
ル・ジュヌ Claude le Jeune (1528-1600 France)
楽曲: 古代風の韻律詩によるシャンソン集より
「春」に寄せて
「自然界には輪郭線は存在しない」
という言葉を残した Leonardo da Vinci (1452-1519) の絵画に
彼が “Sfumato” (煙のようなぼかし)と呼んだ 謎の技法 があります。
混合テンペラから油彩に移行する時代、この ”Sfumato” で見事 成功した傑作が
名画「モナリザ」と云われています。
その制作方法を、かなり無謀な試みですが(笑)
私なりの解釈で、ポーセリン上での制作に取り入れてみました。
画像は3回焼成後の状態
モデルは、2枚描かれた謎多き名画「岩窟の聖母」の
天使ガブリエル(ウリエル?)です。
Leonardo da Vinci 「岩窟の聖母」(London National Gallery 所蔵)
絵画全体を観察してみますと
天使ガブリエルの眼差しは
幼子イエス・キリストに向けられているように見えますが
その幼子を Leonardo da Vinci は
本当に 幼子イエス・キリスト として描いているのかは
未だ謎となっているようです。
天使ガブリエルのあまりにも美しい憧憬の眼差しは
本当は何処に向けられているのか。
そして、何を暗示しているのでしょうか。
闇の中に佇み、そのどこか虚ろで悲しげな眼差しは
いつの日か、この大地に訪れる真実の春を待ち焦がれている
一筋の希望の光に向けられている眼差しであったのでは・・・
そんな想いを抱きながら、制作に臨みました。
(頭部8cmほどの小さな陶板での試作)
キャンバスとなる陶板は、たくさんの種類のサンプルを取り寄せ
一枚一枚掛かっている釉薬の色や微妙な風合いを比べ
焼成した際の色の沈み具合や艶感(なるべくマットに焼き付くもの)を計算し選びました。
小さなサンプルに何度も描いては焼成を繰り返し試作品も描きました。
そんな長い工程を経てからのスタートでした。
実は、筆先の鉛白で 煙 を描き続ける作業はまだ続いております。
はたして完成はいつになる事やら・・・
*「JPAC国際エキシビション2016」ペインターズリレーにて
テーマ{” Sfumato”on Porcelain }
レクチャー&デモンストレーションをさせていただきました。
(陶板60cmx30cm)
組曲 Saravande (サラバンド)
クロード・ドビュッシー Claude Debussy (1862-1918 France)
楽曲:Suite Bergamasque「Prelude」(ベルガマスク組曲「前奏曲」に寄せて
ピアノ演奏:Rieko Kawai 収録2021年10月
≪ 明鏡止水 ≫
『荘子』「徳充符」より
一点の曇りもない鏡、波がなく穏やかに静止している水の様を
物事のありのままをとらえ、心にわだかまりのない澄み切った心境に例えた思想です。
遙か昔、初めて見た自分の姿、それは静止した水辺に映った姿・・・
そんな光を湛えた澄んだ水面を、人々は銅鏡(古鏡)の中に生み出しました。
さざ波が立ち流れている水面には、自分の姿を映す事はできません。
人の心も、
穏やかで鏡のように澄んだ状態で、
それはとらわれのない心、平常心にある時、
初めて物事の本質を見る事ができるのかもしれません。
心が曇って本当に大切なものが見えなくなってしまわないように
さざ波が立って本当に大切なものを見失わないように
いつも自分の鏡を磨いておきたい
そんな想いを込めて♡
~制作エピソード~
2017年春、春日大社の20年に一度行われる式年造替の60次の節目
特別展「春日大社 千年の至宝」が東博で開催されました。
その時、拝見した中でも
古神宝{八陵鏡}の神々しく雅な銅鏡に圧倒され
その古鏡の美しい姿・形をモチーフに展開して描いてみました。
☆{八陵鏡}鏡の一種。円鏡の周縁が8枚の花弁のような形に区切られ菱花形をしている。
唐の時代よりみられ、日本の端花双鳥式に伝えられた。
☆「JPAC国際エキシビション2018」(Japan Porcelain Artists' Club)
テーマ “雅 Elegance” コンペティション 銀賞
{ 華厳 kegon }Light Box ( 陶板2枚組 )
花は無心にして蝶を招き
蝶は無心にして花を尋ねる
花開く時、蝶来たり
蝶来たる時、花開く・・・
これは、良寛さんの詩歌の中でも私の大好きな言葉です。
向かって左側は、色即是色の色(しき)の世界。
その世界は、あらゆる命に満ち溢れています。
向かって右側は、空即是空の空(くう)の世界。
人の目には映らないもう一方の世界です。
全体を包む縦のボーダーは宇宙の波動。
浮遊する水色の分子は
無限のエネルギーを秘めたすべての生命の源です。
宇宙から生まれた響きあう色(しき)と空(くう)の世界は、
柔らかな光に包まれたひとつの華そのもの。
そんな色即是空の世界を、良寛さんの詩に乗せ表現してみました。
華厳思想:
この世界の全体の姿は華の飾りのようであると説いています。
ひとつひとつの具体的な事物・事象の波動は
互いに関係し生かし合い、無限に重なり
美しく宇宙全体に響き合っているという中心思想。
この作品のエピソードは、昨年の秋の京都旅行から始まりました。
いくつものお寺を巡る中、
禅宗の華厳の庭と云われる石庭を眺めていると、
石の波紋が私の身体を伝い宇宙に包み込まれていくような、
そんな解放感を感じました。
まるで風になり、香りになり、光になって・・・
湧いてきたさまざまな心地よい感覚がありました。
良寛さんの詩歌の素朴な優しい花と蝶、
華厳の宇宙に抱かれた色即是空の世界、
すべてが一つの営みの基にあり、
自然のまま、在るがままである事の尊さを改めて思います。
*全体の構図は風神雷神図屏風(建仁寺)からヒントを得ました。
《磁器裏面から光を当て絵を浮き出す方法は、
現在特許出願をしております。》
国宝 【風神雷神図屏風】 俵屋宗達作
{ルネ・ラリックに魅せられて} シリーズ
ルネ・ラリックは19世紀末から20世紀半ばにかけて、アール・ヌーヴォーのジュエリー制作者、アール・デコのガラス工芸家として頂点を極めた人として知られています。
・・・夢見るジュエリーから光溢れるガラスの空間へ、小さな手作りの世界から近代的な産業芸術へと広がりをみせたラリックの美の世界。 それは、一本の鉛筆を手に、かつて誰も目にしたことのない美の輝きを一筋に追い求めた、ひとりの芸術家のイマジネーションから紡ぎ出されたものでした。・・・(国立新美術館ルネ・ラリック展解説より)
眩いばかりに輝くガラス工芸作品にうっとりしながらも、実は私は彼自身のデザイン画を目にした瞬間、すっかりそのデザイン画の方に恋してしまいました。 そして心はラリックの時代にタイムスリップ・・・。
茶紙のようなざらっとした肌合いの紙の上に、繊細な線や斬新な線、走り書きやインクの滲みがあるかと思えば、デザインに寄り添うような美しい文字の書き込みがあります。
握ったペンの先から色や線、想像を形にする時、心の中はどんな時を彷徨い、どんな人を想ったり、どんな景色を見ているのでしょう。
五感を巡るさまざまな感触、香り、聞こえてくる音楽、そして夢見心地と戸惑い・・・。
腕の中で温め育ててきたデザイン画が巣立ってゆくように、作品が完成した時の喜びは如何なるものでしょう。
また、同時に味わう空しさというものがもしあるとするならば、その原因は観衆の眼差しに注がれる作品の陰で、役目を終えパタリと閉じられるデザイン画との別れかも知れません。
完成された素晴らしい作品も、すべては一枚のデザイン画の想像の軌跡からスタートしてゆきます。
一次元の紙に上に馳せる想像の世界、ラリック自身がまだ見えない糸を手繰っていたであろうその瞬間を、美意識が形と成すまでの夢遊空間を、私も一緒に漂ってみようと思います。
まずは、6つのデザイン画から、陶板の上にイメージを膨らませてみました。
これからも時折、ルネ・ラリックのデザイン画の世界に出掛けてみようと思います。
{ Grace Gray } シリーズ
Grayという色が醸し出す
慎み深い静寂
地道で揺るぎない
暗黙の温かさ
Grayという
その果てしなく空白で
充実の色の中から
さまざまな色が
見えてくる...生まれてくる..
* Free-hand で描く薔薇の Cup & Saucer のシリーズです。
{ Grace Pale Green }
Cup & Saucer
{Grace Cream Beige}
Cup & Saucer, Dish
{野ばら}
Bowl & Dishes